子育てはとても大変です。毎日のように、思い通りにいかないことがあって、イライラしてしまうこともありますよね。特に、子どもがわがままを言ったり、なかなか言うことを聞かなかったりすると、どうしても感情が高ぶってしまうことがあるでしょう。そんな時に、思わず子どもを怒鳴ってしまったり、手をあげてしまったりすることもあるかもしれません。

「私は母親失格だ」「こんなことをしてしまった自分はダメな母親だ」と感じて、自分を責めてしまうこともあるでしょう。でも、あなたが感じているその「イライラ」や「怒り」、それは決して悪い感情ではありません。まず、その感情に気づき、それを認めることが大切です。

感情に「良い」「悪い」はない

カウンセリングの世界では、感情に「良い」や「悪い」というレッテルを貼ることはありません。どんな感情が湧いてきても、それはあなたが今、その瞬間に感じたことだからです。例えば、イライラや怒りを感じることもありますが、それは「悪い母親」だからではなく、あなたがその時に置かれている状況や、あなた自身の気持ちが反映されたものです。

感情に対して「これが悪い」「これが良い」と判断してしまうと、自分の感情を否定したり、押さえ込んだりすることになります。そうすると、無意識のうちに心が疲れてしまい、ストレスが溜まっていく原因にもなりかねません。感情を感じること自体は、どんなものでも自然なことであり、それを無理に抑えたり、感じないようにすることは逆効果です。

イライラの原因を見つめ直す

「イライラする自分をどうにかしたい」「怒りたくないのに、つい怒ってしまう」という悩みは、多くの母親が抱える問題です。その原因として、いくつかのことが考えられます。

  1. 過度なプレッシャー
    子育ては、思った以上に体力も精神力も使います。さらに、完璧な母親を目指すあまり、自分に厳しくなりすぎてしまうこともあります。「子どもに良いことをしなければ」「いい母親でいなければ」と感じてしまうと、ちょっとしたことで自分を責めてしまうことになります。
  2. 自己否定感
    完璧でない自分を許せず、「こんなことをしてしまうなんて、母親失格だ」と感じてしまうこともあります。自己否定感が強いと、小さな失敗に過剰に反応してしまい、イライラが増すことがあります。
  3. 疲れや体調不良
    体調や睡眠不足が影響していることもあります。自分の体調が良くないと、ちょっとしたことでイライラしやすくなりますよね。

感情を認めることが自分を救う

感情を無理に押し込めようとすることは、心に負担をかけるだけです。例えば、イライラして子どもに怒ってしまった後、「私はダメな母親だ」と自己否定してしまうと、気分が落ち込んだり、次に同じような場面でまた同じように怒ってしまったりします。しかし、感情を認めることができれば、その後の行動も変わります。

まず、「今、私はイライラしている」「今の私は、子どもに対して怒ってしまう状況だ」と認識することが大切です。それができるようになると、感情に振り回されず、冷静になりやすくなります。そして、次に何をするべきかを考える余裕が生まれます。感情を認めることができると、自分を責めず、前向きな行動に繋がるのです。

自分を責めず、心を軽くする方法

自分を責めることは、結局自分の心に負担をかけてしまいます。では、どうすればその負担を軽くし、心を楽にできるのでしょうか?

  1. 自己受容
    どんな自分も受け入れ、完璧でない自分を許してあげることが大切です。感情を感じることは誰にでもあることで、母親だって人間です。感情を感じても、それがあなたの母親としての価値を決めるものではありません。自分を責める代わりに、温かい気持ちで自分を抱きしめてあげましょう。
  2. 感情を書き出してみる
    イライラや怒りを感じたとき、その感情を紙に書き出してみると、意外と気持ちが楽になります。感情を外に出すことで、心の中で整理され、スッキリとした気分になることがあります。
  3. 深呼吸とリラックス
    イライラしたときに深呼吸をして、少しリラックスしてみましょう。深呼吸をすることで、副交感神経が働き、心が落ち着いていきます。少しの間でもいいので、自分の呼吸に意識を向けて、心を静める時間を持ちましょう。
  4. カウンセリングを受けてみる
    感情を認めることができても、まだストレスがたまりやすい、もしくは自分ではうまく対処できない場合には、カウンセリングを受けるのも一つの方法です。専門家と一緒に感情の整理をすることで、自分の心を理解し、ストレスを軽減することができます。

最後に

子育ては、感情の波が激しいこともあります。イライラしたり、怒ってしまったりすることはありますが、それが母親失格を意味するわけではありません。大切なのは、その感情を感じた自分を認め、どのように行動するかを考えることです。

もし「自分の感情を認めるのが難しい」「自分を責めてしまう」と感じているのであれば、ぜひカウンセリングを受けてみてください。自分の気持ちを整理し、心を軽くする第一歩を踏み出すことで、もっと楽に、そして前向きに子育てを楽しめるようになるはずです。

あなたは、十分に素晴らしい母親です。自分を大切にしながら、日々を乗り越えていきましょう。