3月は自殺対策強化月間です。
家族や友人など、大切な人から「死にたい」と言われたとき、あなたはどんな気持ちになるでしょうか?
・突然の告白にショックを受ける
・どう反応していいかわからず戸惑う
・そんなこと言わないで!と怒りや悲しみを感じる
・気持ちを否定したくなる
こうした感情が湧いてくるのは自然なことです。大切な人が苦しんでいることを知るのは辛く、なんとかして助けたい、あるいはそんな言葉を聞きたくなかったという気持ちが生まれるのは当然です。しかし、最も大切なのは、その人が本当に苦しんでいるという事実を理解し、寄り添うことです。
「死にたい」と思う気持ちの背景
「死にたい」と感じる人は、強い苦しみを抱えています。その背景には、次のような理由が考えられます。
・人間関係の問題(家族、職場、友人関係など)
・失敗や挫折による自己否定感
・過去のトラウマや心の傷
・極度のストレスやプレッシャー
・うつ病などの精神的な病気
特にうつ病の場合、思考が極端に悲観的になり、「自分は価値がない」「生きている意味がない」と感じやすくなります。うつ病の主な症状には、気分の落ち込み、興味や喜びの喪失、食欲や睡眠の変化、極度の疲労感などがあります。こうした症状が続いている場合は、適切な治療を受けることが大切です。
どのように対応すればよいか
もし大切な人から「死にたい」と言われたら、次のような対応が役立ちます。
- 気持ちを否定せず、話を聴く
「そんなこと言わないで」ではなく、「すごく辛いんだね」「どうしてそう思うの?」と、相手の気持ちを受け止めることが大切です。「話してくれてありがとう」と伝えることで、少しでも安心感を持ってもらえるかもしれません。 - 一人にしない
自殺を考えている人は、孤独を感じていることが多いです。「あなたのことが大切だよ」「一人じゃないよ」と伝え、できるだけ寄り添いましょう。特に危険を感じる場合は、すぐに誰かに助けを求めたり、安全な場所に移動したりすることが必要です。 - 専門機関への相談を促す
「一緒に病院に行ってみない?」「相談できるところがあるよ」と、専門的な支援を受ける選択肢を伝えることが大切です。心理カウンセリングや精神科の診察を受けることで、適切な治療やサポートを受けることができます。
相談できる場所
もし身近な人が「死にたい」と言ったら、以下のような相談機関を利用することも検討してください。
・精神科・心療内科(医師の診察を受ける)
・自殺防止相談窓口(電話相談、SNS相談など)
・地域の保健センターやカウンセリングルーム
・学校や職場のカウンセリングサービス
また、自分自身が「どう対応すればいいのかわからない」と感じたときは、家族や信頼できる人に相談することも大切です。一人で抱え込まず、サポートを求めましょう。
カウンセリングでできること
当カウンセリングルームでは、悩みを抱える方の相談を受け付けています。
・「死にたい」と感じるご本人へのカウンセリング(未受診の方には、病院受診のお勧めもさせていただいています)
・身近な人が「死にたい」と言ったときの対応についての相談
・ストレスや不安への対処法の提案
どんなに小さな不安でも、一人で抱え込まず、ぜひご相談ください。
あなたの大切な人が、少しでも安心できるように。あなた自身の心も守れるように。