私たちは日々、さまざまな問題に直面します。その中には、自分の努力や工夫ではどうにもならないこともあります。例えば、愛する家族の病気、大切な人との別れ、仕事の環境の変化、社会的な出来事など、私たちの力ではどうすることもできない状況に陥ることがあります。こうしたとき、多くの女性は心に葛藤を抱え、どう向き合えばよいのか分からなくなることがあるでしょう。
カウンセリングの視点から、そうした状況に対してどのように心を整え、ストレスを和らげることができるのかを考えてみたいと思います。
1. 「どうにもできない」という事実を受け止める
人は困難な状況に直面すると、何とかそれを変えようと努力し、解決策を模索します。しかし、どんなに頑張っても変えられないことがあると知ったとき、無力感や挫折感に襲われることがあります。
まず大切なのは、「どうにもできないことがある」という現実を受け入れることです。これは決して諦めるという意味ではありません。むしろ、「自分にできること」と「自分にはどうにもできないこと」を明確に分けることで、必要以上に自分を責めたり、不安になったりすることを防ぐことができます。
2. 「感じること」を許す
どうにもならない状況に直面すると、不安、悲しみ、怒り、悔しさなど、さまざまな感情がわき上がります。「こんなことで落ち込んでいてはいけない」と気持ちを押し殺してしまうこともあるかもしれません。
しかし、感情は無理に抑え込もうとすると、かえって心の負担が大きくなります。カウンセリングでは、まず自分の感情を否定せずに「そう感じている自分を認める」ことを大切にします。
「私は今、悲しいんだな」「私はすごく悔しいと感じているんだ」と、自分の気持ちをそのまま受け入れることで、少しずつ心が落ち着いていきます。紙に書き出したり、信頼できる人に話したりするのもよい方法です。
3. 自分ができることに目を向ける
どうにもできないことにばかり意識が向いてしまうと、無力感が強まり、気力を失ってしまいます。そんなときこそ、「今の自分にできることは何か?」と考えてみましょう。
例えば、病気の家族を支えることはできなくても、そばにいて話を聞くことはできるかもしれません。仕事環境の変化を止めることはできなくても、新しい環境に適応するためにできることを探せるかもしれません。自分がコントロールできる範囲に意識を向けることで、少しずつ前向きな気持ちが生まれてきます。
4. 価値観を見つめ直す
どうにもできない出来事に直面すると、それまで大切にしていた価値観が揺さぶられることがあります。しかし、そうした状況だからこそ、「私にとって本当に大切なものは何か?」を考える機会にもなります。
たとえば、「仕事が最優先」と思っていたけれど、「家族との時間も大切にしたい」と気づくことがあるかもしれません。「完璧にやらなければ」と考えていたことが、「無理をしすぎずに、自分を大切にすることのほうが重要だ」と思えるようになることもあります。
困難な状況に直面したときは、自分の価値観を見直し、新しい視点を持つチャンスでもあるのです。
5. 「頼る」ことを選択する
特に30〜50代の女性は、家庭や職場で多くの役割を担い、「私がしっかりしなければ」と感じることが多いかもしれません。しかし、どんなに強い人でも、一人で抱え込んでしまうと心が疲れてしまいます。
家族や友人、信頼できる人に気持ちを打ち明けることは、決して弱さではありません。カウンセリングの場でも、「頼ることが苦手」という方が少なくありませんが、話をすることで気持ちが軽くなり、新しい視点が得られることがよくあります。
「ひとりで頑張らなくてもいい」と思えるだけで、心が少し楽になることもあります。
まとめ
自分ではどうにもできないことに直面したとき、私たちの心は大きく揺れ動きます。しかし、
- 「どうにもできないことがある」と受け入れる
- 感じることを許す
- 自分ができることに目を向ける
- 価値観を見つめ直す
- 誰かを頼る
こうしたステップを意識することで、心の葛藤を和らげ、自分らしく生きるヒントを得ることができます。
人生には、自分ではコントロールできないことがたくさんあります。でも、そのなかで「私がどう生きるか」を選ぶことは、私たちの手の中にあります。もし、今つらい状況にいるのなら、一人で抱え込まず、誰かに気持ちを話してみてください。心が少し軽くなり、新しい一歩を踏み出せるかもしれません。