——「振り返り」と「小さな実験」のすすめ——

カウンセリングを受け始めると、自分の心に向き合う時間が増え、少しずつ心の整理がついていく感覚を持たれる方も多いと思います。
ただ、こうした変化は一回のカウンセリングだけで劇的に起こるものではなく、時間をかけて少しずつ、自分自身の理解が深まり、日常での行動や考え方に変化が現れてくるものです。

カウンセリングの効果をより高め、日常の中でも自分らしく過ごしていくためには、いくつか大切なポイントがあります。今日はその中でも、「継続」「振り返り」「小さな実験」についてお話ししたいと思います。


1. 継続することで見えてくるもの

まず、カウンセリングは定期的に継続して受けることが大切です。
継続することで、信頼関係が少しずつ築かれ、自分でも気づいていなかった感情や思考のクセに出会うことができます。

また、カウンセラーとの対話を通じて、自分の考え方の背景にある「価値観」や「過去の経験」などが整理されていきます。
これらは一朝一夕に見えてくるものではなく、時間をかけて少しずつ明らかになっていくものです。


2. 自分なりに振り返ってみる

カウンセリングの時間は、自分自身を見つめ直す貴重な時間ですが、それだけで終わってしまうのはもったいないものです。
セッションのあと、家に帰ってから「今日話したことをどう感じたか」「自分にとって印象に残った言葉は何だったか」など、自分なりに振り返ってみることがとても大切です。

たとえば、小さなノートを用意して、セッション後に感じたことをメモしてみるのも良い方法です。
言葉にすることで、ぼんやりしていた感覚が少しずつ形になり、自分の内面がよりクリアに見えてくることがあります。


3. 「小さな実験」をしてみる

カウンセリングで得た気づきは、実際の日常生活で試してみてこそ、本当の意味で自分のものになります。
このとき意識したいのが、「小さな実験」をしてみること。

たとえば、

  • いつも無理して笑顔で対応してしまう相手に、今日はほんの少しだけ本音を伝えてみる
  • 自分の気持ちを否定しがちなとき、「今はそう感じてもいいよ」と自分に優しく声をかけてみる
  • 不安な予定の前に、呼吸を整えてから出かけてみる

こんなふうに、ほんの少しのチャレンジでかまいません。大切なのは、「やってみて、どう感じたか」を振り返ることです。
うまくいっても、いかなくても、それはどちらでも大丈夫。「自分の心がどう反応したか」を知ることが、次の気づきにつながります。


4. 気づきの積み重ねが、自分をつくっていく

カウンセリングは、答えを与えてくれる場所ではありません。
むしろ、問いを共に見つけ、その問いを自分のペースで考え、向き合うプロセスを大切にしています。

そして、そうしたプロセスの中で、
「こんなふうに感じていいんだ」
「私はこんなことを大事にしていたんだ」
「これは昔のパターンだな」
といった“内側からの気づき”が生まれてきます。

このような気づきは、セッションの中だけではなく、日々の「振り返り」や「小さな実験」を通じてもたらされるものです。


最後に

カウンセリングは、受けること自体にももちろん価値がありますが、そこから何を感じ、どんなふうに日常に活かしていくかがとても大切です。

自分の心に丁寧に耳を傾けながら、
カウンセラーと共に歩み、自分でも振り返り、行動してみる。
そんな姿勢が、あなた自身の変化や成長を支えてくれる大きな力になります。

焦らず、比べず、あなたのペースで。
カウンセリングの時間が、より豊かな意味を持つものになりますように。

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