今日、片付けをしていて、10年以上前に買った未使用品の楽器の弦(輸入物なので今はだいぶ値上がりしています)、音程を合わせるためのチューナーを見つけて「いいもんみっけたー!」と喜んでいるよしむたです。

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発達相談や育児相談でよく話題に上がるのが、「うちの子、全然片付けないんです」というお悩みです。
おもちゃを出しっぱなしにして次の遊びを始める。声をかけても聞こえていないふり。ようやく片付けたと思ったら、また散らかしている……。
どこのご家庭でも“あるある”な日常風景です。

けれど、そんな子どもたちの姿には、それぞれの年齢や発達段階によって異なる理由や背景があるのです。
今回は、4〜6歳/小学生/中高生/きょうだいがいる家庭の事例別に、片付けの声かけや関わり方の工夫についてお話ししていきます。


【4〜6歳】:「片付けの意味」がまだピンときていない時期

この時期の子どもたちは、“片付け”そのものがどういう意味を持つ行為か、まだ完全には理解できていません。
「遊び終わったらお片付けしてね」と言っても、本人にとっては「まだ遊んでる途中」だったり、「別のおもちゃでもっと遊びたい」気持ちが勝ってしまいます。

▶︎声かけの工夫

  • 「ブロックをこの箱に入れてみようか。一緒にやってみよう」
  • 「このおうち(棚)に、ぬいぐるみさんを帰してあげようね」
  • 「お片付けできたら、おやつにしよう」

ポイントは、“一緒にやる”ことと、“できたら嬉しいことがある”という見通しを持たせること。
そして終わったら、「すごいね!ピカピカになった!」「お部屋が広くなって遊びやすくなったね」と、視覚的な変化に気づかせて達成感を味わわせましょう。


【小学生】:「めんどくさい」が口ぐせに?気持ちの切り替えを促す

小学生になると、片付けの必要性は理解できるようになってきます。
それでも、「めんどくさい」「あとでやる」と言いながら、ダラダラと先延ばしにしてしまうことも。

▶︎声かけの工夫

  • 「10分タイマーで片付けチャレンジしようか」
  • 「あと〇分で終わらせよう」
  • 「お部屋が片付いたら友達を呼んで遊べるよね」

ここでは、“めんどくさい”という気持ちにどう折り合いをつけるかがカギ。
短時間で終わらせる工夫や、片付けた先の楽しさを見せてあげることが有効です。

また、片付けの基準が大人と子どもでズレていることもあるので、「ランドセルはこの棚」「使ったノートはこの箱」と、整理の方法を一緒に決めておくと◎。


【中学生・高校生】:「片付けろ」と言われるのがイヤなお年頃

思春期の子どもたちは、「指示されること自体」がストレスになることがあります。
親が「片付けて!」と言えば言うほど、無視されたり、逆に反発されたり…という経験、ありませんか?

▶︎声かけの工夫

  • 「今週末、久しぶりに家族ででかけようと思うんだけど、その前に部屋片付けてあると気持ちよくない?」
  • 「自分のペースでいいけど、〇曜日までに片付け終わってると助かるよ」
  • 「どうしても片付けられないところがあれば、少しだけ一緒にやる?」

大切なのは、“命令口調ではなく、提案・相談ベース”で声をかけること。
相手を尊重しつつ、期待やお願いとして伝えることで、親子関係の摩擦も減りやすくなります。


【きょうだいがいる家庭】:「上の子ばかり怒られる」「下の子がぐちゃぐちゃにする」のジレンマ

きょうだいがいる家庭では、「片付けたのに下の子がまた散らかす!」「上の子ばかり注意される!」といった不満が蓄積しやすいです。

▶︎声かけの工夫

  • 上の子には「おもちゃの“宝箱”は、下の子が届かない場所に置いておこうか」
  • 下の子には「お兄ちゃん/お姉ちゃんが使っていたおもちゃは、ここに戻そうね」
  • 両方に対して「みんなでお部屋を使っているから、みんなで気持ちよく使いたいね」

きょうだい全員が「自分のことをわかってもらえている」と感じる関わりがカギ。
一人ひとりの特性や年齢に合わせてルールや環境を調整し、無理のない範囲で“分担”を促していくとよいでしょう。


まとめ:片付けは「できる・できない」ではなく、育っていく力

片付けができる・できないを単なる「しつけ」の問題として見てしまうと、どうしても“叱る”“怒る”になりがちです。
でも実は、片付けには「見通しを立てる力」「気持ちを切り替える力」「達成感を味わう力」など、多くの育ちの要素が関わっています。

だからこそ、今すぐ完璧に片付けることよりも、「少しずつ慣れていく」「一緒に考えていく」ことのほうが大事なのです。

お子さんの年齢や性格、家庭のスタイルに合わせて、無理なく取り組める声かけを工夫していけるといいですね。