子育て中のみなさん、お子さんと一緒に遊んでいますか?
私は久しぶりに中学生の息子と遊んでみました。
グランツーリスモというドライビングシュミレーターゲームです。
車の運転が好きで、山道も高速道路も平気で運転する私ですが、
TVゲームでの運転も、というとそう簡単にうまくいかないものですね。
いろんなところにぶつかって行き、コースアウトばかり。
息子が同じ車で、同じコースを走ったタイムと比べると30秒近く遅かったです。
子どもの、ドライブに特化した操作のうまさ ー目と手(ハンドル)、
足(アクセルとブレーキ)の協調運動のうまさー に驚き、改めてすごいなぁと感心しました。
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さて今回は、発達相談会や発達検査の仕事で、
幼児の遊びを観察したり、幼児と一緒に遊んだりする私が
親、養育者が子どもと一緒に遊ぶときに大切な3つの心得をお伝えします。
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1.遊びは子どもの発達をうながすという視点を大切にする
2.子どもの月齢・年齢、発達に合わせて遊びの内容・種類を広げていく
3.子どもが楽しめることをさがし、一緒に楽しみ、喜びをわかちあう
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1.遊びは子どもの発達をうながすという視点を大切にする
1つめは「遊びは子どもの発達をうながす」という視点を大切にする、です。
大人の中には、子どもと遊ぶことは幼稚なことである、
子どもがやっていることに適当に相槌をうっていればいいとか、
そんな遊びはしなくてもよい、と思われる方もいらっしゃるのですが、
人間は生まれてから数年間は、睡眠・食事・衣服の着脱・排泄など基本的生活の行為以外は、
遊びを通して、今後生きていく上での基礎となることを学んでいるのです。
例えば、指先・身体全体を使うこと、言葉、知的能力、
好奇心からあたりを探索し、自分の世界を広げていくこと、
道具を使うこと、
大人や友達との1対1の関わり、
ルールをまもって集団で遊ぶ基礎的な行動などです。
小学校に上がる前までは、たーーくさん遊ばせてください。
2.子どもの月齢・年齢、発達に合わせて、遊びの内容・種類を広げていく環境を整える
遊びを通して子どもは発達していく、と書きましたが、
いつも同じ遊びをしているだけでは、発達しません。
子どもの月齢・年齢や発達に合わせて、
遊びの内容や種類を広げていく工夫が必要になってきます。
基本的には、子どもはできないことが多くて、
1つの行為ができるようになるまでには
遊びの中でたのしく何度もおなじことを繰り返し、
周りの人から褒められたり、喜ばれたりすることを必要としています。
私が関わっている行政での(幼児期専門の)発達相談会では、
幼児期に合わせた遊具を用意しており、
初めて触れる遊具でも
大人が見本を見せる → 子どもが真似する・自分の思うように遊ぶ → (真似しなくても)大人がプラスの声かけをする、認める・褒める
ということを繰り返すうちにある遊びや行動が上達していく様子が
たったの1時間でもよくみられます。
そして、相談会に来た保護者からは
「こんな姿、初めてみましたた」
「このようなものでも遊べるんですね」
「こんなこともできるようになるんですね」
と喜びと発見の言葉を述べられることがあります。
遊びの種類が少ないことのデメリットで
よくあるパターンの一つは、
子どもが歩くようになった後、
「危ないから」といって段差・階段を全く自分で歩かせない(ずっと親の抱っこでの移動)、
少しの段差からのジャンプを禁止することなどが行き過ぎた制限をかけると
経験不足で運動発達が進まなくなります。
また、現代の子育て方法として、スマホやタブレットでの動画視聴に非常に多くの時間を費やしていることも問題となっています。
使う大人としてすごく便利なのは私もわかっています。かつては私も助けられた一人です。
ただ、子どもは我慢ができませんし、時間の感覚も獲得の途中にあります。
強い、楽しい刺激として、延々とみてしまいます。
大人の都合で、TV、スマホやタブレットでの動画視聴、ゲームばかりをさせるだけでは、
運動発達(ハイハイ、あるく、走る、跳ぶ、階段上り下り、バランス、ボールを投げる・蹴る・受けるなど)、
言葉の発達(自分の言いたいことをいうだけではなくて、他の人の言っていることもわかる、わかって行動できる)、
知的発達にも大切な体験を積めずに
それぞれの能力が伸びやすい発達時期(臨界期といいます)を逃してしまうことがあり、
それまでなんの支援も受けてこなかった子どもが、小学校に行った後に、
「あれ?幼児期に獲得してきているはずのこと、できてないの?」
ということが実際に起こっています。
月齢・年齢や発達にあわせた遊びの内容については、育児書を参考にする、
子ども支援センターの職員や、お子さんが通園している場合は担任の先生に尋ねてみてください。
(今後、記事を書き足していく予定です)
3.子どもが楽しめることをさがし、一緒に楽しみ、喜びをわかちあう
子どもが遊んでいる時は、どんなことでお子さんが
喜んでいるか、
楽しんでいるか、
目をキラキラさせているかを観察し、
自分も一緒にその遊びを楽しみ、喜びをわかちあいましょう。
仕事や家事で大変だと思いますが、子どもの心の安定感を作る大事な時期なので
子どもと遊ぶ時は遊びに集中して、全力で遊んでください。楽しんでください。
時間も30分ぐらいでいいです。時間制限をつけて子どもの様子に集中して遊んでください。
その繰り返しが、子どもが心から安心して社会で生活することができるようになる基礎になります。
子どもとのふれあい遊びを楽しめる、
子どもの身の回りのことに、こまめに手をかけてあげなければいけないような年数は、
人生80年の一生のうちで、ほんの10年前後なんですよね。
小学校中学年、高学年ぐらいになれば、
自分の身の回りのことは大部分
自分でできるようになってきているはずですし、
親や養育者よりも友達と遊ぶ時間が長くなるし、
どんなに良好な親子関係を築けていても、
親に秘密を持ち始めるし、親に反抗し始めます。
これが、親からの心理的自立の始まりですね。心が成長している証拠です。
親は子どもへの手伝いが少なくなくなっても、
子どもには
「あなたのことを大事に思っているよ」
「気にかけているよ」
「困ったことがあったら言ってね、一緒にどうしたらよいか考えるから」
と気遣いの言葉をかけ続けましょう。