お子さんが家で見せる様子と、園や学校での様子が違うことはよくあります。特に、幼稚園から中学生くらいの時期は、家庭と外の環境で異なる振る舞いをすることが珍しくありません。「家では元気いっぱいなのに、学校では静かにしている」「家では甘えるのに、外ではしっかりしている」など、子どもの姿にギャップがあると、親としては心配になりますよね。
では、子どもの様子が気になるとき、親としてどのように関わるのがよいのでしょうか。
まずは情報を集める
お子さんの様子が気になるとき、まずは家庭内での行動を観察し、具体的にどのようなことが気になっているのか整理してみましょう。たとえば、
- 友達の話をあまりしない
- 学校の話をしたがらない
- 家で癇癪を起こすことが増えた
- 夜なかなか眠れない、または朝起きるのが極端に苦手になった
- 食欲が落ちた、または食べ過ぎてしまう
- 宿題に対して極端に嫌がる、または過剰に完璧を求める
など、普段と違う様子があれば、気になるポイントをノートなどにメモしておくとよいでしょう。
園・学校での様子を知る
次に、園や学校の先生に相談することをおすすめします。保護者から「家ではこのような様子が見られるのですが、学校ではどうですか?」と伝えておくと、先生方もお子さんの様子を意識して見てくれるようになります。
ただ、入園や入学直後は、先生も子どもも新しい環境に慣れることに一生懸命なので、具体的な様子がまだつかめていないこともあります。そのため、「頑張っていますよ」といった返答が多くなるかもしれません。しかし、先生に事前に伝えておくことで、お子さんの変化や困っている様子に気づきやすくなります。
また、お子さんの中には目立つ行動で困っていることを表す子もいれば、静かに困っている子もいます。たとえば、
- ずっと一人でいて、友達と遊ばない
- 友達から世話を焼かれることが多い
- 先生の話が理解できず、友達の行動を見てから動く
- 同級生と比べて行動が幼い
- 集団行動が苦手で、一人でいることが多い
- 授業中、ぼーっとしていることが多い
このような場合は、静かに困っている可能性があります。こうした子どもの変化を見逃さないためにも、先生に相談することで、園や学校でのサポートを受けやすくなります。
お子さんの気持ちに寄り添う
子どもは自分の気持ちを言葉でうまく表現できないことが多く、大人から見ると「ただ機嫌が悪い」「わがままを言っている」と思えるような行動を取ることがあります。しかし、その背景には「友達とうまくいっていない」「勉強が分からない」「学校でのルールが難しい」など、何かしらの理由があるかもしれません。
親としては、「どうしてそんなことをするの?」と問い詰めるのではなく、「最近、何か困っていることはある?」「学校で楽しいことはあった?」と、話しやすい雰囲気を作ることが大切です。お子さんが話したくないときは、無理に聞き出す必要はありません。安心して話せる環境を整えておくことで、自然と子どもの方から話してくれることもあります。
また、お子さんが安心して話せるように、「聞き上手」になることも大切です。お子さんの話をさえぎらず、「うん、そうなんだね」「それは大変だったね」と相槌を打ちながら話を聞くと、子どもは「話してもいいんだ」と思えるようになります。
専門的な相談も選択肢に
お子さんの様子が気になり、家庭や学校での対応だけでは不安が残る場合は、専門家に相談することも一つの方法です。当カウンセリングルームでも、子どもの発達や心理に関する相談を受け付けています。
カウンセリングでは、
- お子さんがどんな時に困っているのか
- どのような遊びが好きなのか
- 生活のリズムはどうなっているのか
- どのような対人関係を築いているのか
などをじっくり聞きながら、適切なサポートを見つけていきます。そのため、一度の相談で解決するのではなく、何度か通いながらお子さんの状況を把握し、対応策を考えていくという流れになります。
まとめ
お子さんのことを心配する気持ちは、とても大切な親心です。心配すること自体が、すでにお子さんに寄り添う第一歩なのです。
大切なのは、
- 家での様子をよく観察し、気になる点を整理する
- 園や学校での様子を先生に確認し、共有する
- お子さんの気持ちに寄り添い、話を聞く姿勢を持つ
- 必要であれば、専門家の力を借りる
このステップを大切にしながら、お子さんが安心して過ごせる環境を整えていきましょう。焦らず、一歩ずつ進めていくことが、お子さんにとっても親御さんにとっても良い結果につながります。