——「やらないことを決める」「家族と協力する」で、心が軽くなる働き方と暮らし方
仕事も家庭も大切にしたい――そんな想いを抱えて日々を過ごす30〜40代の女性は少なくありません。朝はバタバタと子どもを送り出し、そのまま職場へ。仕事を終えたら、今度は買い物、夕飯の準備、洗濯物の片づけ、子どもの宿題チェック……ようやく一息つく頃には、もう夜遅く。気づけば「今日も自分の時間なんてまったくなかった」という日々が続いている人も多いのではないでしょうか。
「私さえがんばればうまくいく」と思って、一人でなんとか回そうと努力してきた。でも、気力も体力も限界がある。「このままで大丈夫かな」と不安になることはありませんか?
そんなときこそ見直してほしいのが、「やらないことを決める」という視点と、「家族と協力する、家族に任せる」という姿勢です。今回はこの2つを軸に、両立のストレスを軽くする考え方をお届けします。
すべてをやろうとするほど、疲れてしまう
家庭と仕事の両立を考えたとき、つい「どちらも100点を取らなければ」という気持ちになることがあります。ですが現実は、時間もエネルギーも限られていて、すべてを完璧にこなすのは至難の業です。
料理は手作り、部屋はいつも清潔、子どもの提出物は忘れず、仕事でも成果を出す……理想は素晴らしいけれど、理想を追いすぎると心が持ちません。
だからこそ、「やらないことを決める」ことがとても大切なのです。
たとえば、
- 家事は“やるべきこと”ではなく、“暮らしを支える手段”と捉え直す
- 毎日掃除をしていたのを、週に2〜3回にしてみる
- 食事はお惣菜や冷凍食品に頼ってもいい
- 全部自分がやるのではなく、家族に任せる部分を増やす
“手を抜く”のではなく、“力を入れる場所を選ぶ”のです。どこかを緩めることで、他の大切なことにちゃんと集中できます。そしてなにより、自分の体と心を守ることにつながります。
家族との「チーム化」がカギ
仕事では「チームで協力する」のが当たり前。でも、家庭になると「私がやらなきゃ」と思い込んでしまう女性は多いようです。
でも、家庭も本来は「チーム」。一人で背負い込むのではなく、みんなで協力して回していくものです。
まずは、自分の状態や気持ちを言葉にして伝えることから始めましょう。
- 「今週は忙しいから、夕食は簡単なものにしたい」
- 「洗濯物はたたまず、カゴに入れるだけにしていい?」
- 「休日の午前中、少しだけ一人の時間がほしい」
家族にとっても、はっきりと言葉で伝えてもらえたほうが、どう動けばいいかがわかります。パートナーが家事や育児に関わるきっかけにもなります。
また、子どもにもできることを少しずつ任せてみましょう。お手伝いは年齢に合わせて、小さなことからでOKです。「自分も家族の一員として役に立てている」という感覚は、子どもの自信にもつながります。
「できなかったこと」より、「できたこと」に目を向ける
一日の終わりに、「今日も◯◯ができなかった……」と落ち込んでしまうこと、ありませんか?
でも、本当は「今日も子どもと笑顔で話せた」「朝ごはんをちゃんと用意できた」「仕事で一つ前に進めた」など、小さな“できたこと”がたくさんあるはずです。
100点を取ることではなく、60点くらいで「まあ、よし」と思える柔らかさを持つこと。それが心の余裕を生み、明日の活力にもなります。
両立は「孤独な努力」ではなく「周囲との連携」
家庭と仕事を両立するということは、自分一人の力だけでどうにかするものではありません。環境や家族との関係、周囲の協力体制によって、大きく変わります。
「ひとりでがんばらなきゃ」を手放して、できることを選び、誰かに頼ることも自分を大切にする手段のひとつ。疲れを感じたときこそ、何かを手放すタイミングなのかもしれません。
最後に
「やらないことを決める」ことは、自分を後回しにしないという決意です。
「家族と協力する」ことは、信頼を築き合うプロセスでもあります。
がんばりすぎなくていい。うまくいかない日があっても、それは失敗ではありません。今日のあなたが、できる範囲でがんばった証です。
少し立ち止まって、自分の心と体の声に耳を傾けてみてください。そして、もしあなたが「ちょっと疲れてきたな」と感じたなら、今こそ“やらないこと”を見直し、“誰かに頼ること”を始めるタイミングかもしれません。
「ラクしていい」「頼っていい」――この言葉を、自分に許してあげてくださいね。